困った人たち-Jats demonstration

Jat leaders allow train movement after HC order

 

Jatと呼ばれる人たちのデモがまたもや先鋭化しつつある。Jatというのはパンジャブ州、ハリヤナ州を中心に北インドに広く居住しているゴトラ(先祖を同じくする、と主張する集団)で、3000万人以上の勢力を誇る集団だ。ヒンドゥ、ムスリム、シークなど宗教もバラバラだが、ゴトラという単位でまとまって、定期的にデモを行っている。デモの目的は、Reservation Systemと呼ばれるインド独特の政策---不可触民や社会的地位の低い部族などを指定カースト又は指定部族に指定して、一定の割合で学校への入学や公務員への登用を図る---への割り当て増大を要求するものだ。Jat自体は不可触民でもなんでもないが、OBC-Other Backward Class(その他の後進階級、州ごとに決められている)への指定を求めつつ、成員の多さを理由に役所での雇用割り当ての増加を要求して、単なるデモ行進にとどまらず、道路封鎖、鉄道封鎖、昨夏は猛暑が続くデリーへの送電を一部止めたりして、首都を混乱させたいきさつもある。こうなるとある種テロ行為ですらあるのだが、こういった自分たちの要求のために社会を混乱に陥れる行為にまで踏み切りながら、一方で公僕としての役割を担うことを求める姿勢には首をかしげてしまう。

 

またそれ以上に、教育が遅れたり人材開発が進まないクラスの人の地位や待遇を改善することを目的に敷かれた制度でありながら、Jatに限らずそれを利用し食い物にすらしようとする人々がインドには決して少なくないのは、とても残念だ。

 

OBCに指定されているカースト

(州ごとに分かれています)