2/9 Spice Jetにご用心 コルカタからハイデラバードまで移動~


 

今回のインドの旅のために、Spice Jetの国内線コルカターハイデラバード間のフライトを予約したのは昨年9月のことだった。

その後、12月初めにSpice Jetの経営危機が表面化、給油の滞り、パイロットの大量退職などが重なって、大量のフライトキャンセルが発表され、年末年始の移動シーズンとも相まって、インドの各空港では他社便への乗り換え希望客が殺到するなど、大混乱が生じたという。昨年からインドの航空市場は仁義なき安売り合戦が繰り広げられていたが、早くも音を上げるところが出てきたのだろう。

→エアアジアが仕掛けた空中戦 も参照


しかし、HPを見ている限り、全てのフライトがキャンセルとなったわけではないようで、キャンセルとなった便のリストにコルカタ-ハイデラバード便は含まれていなかった。経営破たんのムードも漂う中、Spice Jetは年末に新たな出資者を確保し、稼動便数は減らすものの、1月からは新スケジュールで予定通りに運行すると発表した。


一時期は、鉄道でハイデラバードまで行こうと諦めていたが、当面の経営危機が回避され、Spice Jetのサイトを見ても、特にキャンセルの告知もなかったため、当日空港に向かった。少しの不安を抱えながら。


Spice Jetのカウンターに到着し、予約した旨を示す紙を見せるとスタッフの顔色が即座に曇り、数人でひそひそと相談し始めた()

明らかに不穏なものを感じる中、一人の男性スタッフが近寄ってきて、申し訳なさそうに、「ソーリー、これはキャンセルです」と告げられた。

雰囲気で察知していたものの、しばらく言葉が見つからなかった。自分のために「飛行機を飛ばせ」などとは言えないのだ。

そんな情報は一切受け取っていない、だからここまで来たんだ、と抗議すると、申し分けなさそうな顔で、国内で予約した客。。。つまりインド人の予約客にはキャンセルと振り替え案内の通知が電話で届くそうだが、海外からの予約客にはそうしたシステムがない、とのこと。「ない」って()そんな。

後で分かったことだが、Spice Jetのサイトでは年末までフライトキャンセルの情報については詳細に公表していたが、年が明けてからはサイトのスタイルが少し変更され、掲載しなくなった。顧客離れが加速して新規予約の状況に影響が出始めたために、なるべくキャンセル情報の公表を控え、代わりにキャンセルになったフライトの予約客に対し、個別に連絡を取る方法に変えたのではないだろうか、と思えてしまう。

大量にキャンセルを出したツケは大きく、その後予約数が伸びないのか、思い切った値下げセールを何度か実施している。

http://www.spicejet.com/PressReleaseNewsPage.aspx?strNews=SuperSale2015


空港まで足を運び、キャンセルを告げられた哀れな海外からの予約客は、どうやら自分だけらしい。先日、カジュラホからコルカタまで鉄道を利用したときは、正午に到着する予定が夜中の0時になってしまい、仕方なく駅のベンチで朝まで寝たのだ。インドではよくあること、と思いつつも怒りが強くて、なかなか冷静に話ができない。


返金の手続きについて話をしようとしたところ、少し時間が掛かるがハイデラバードまでのフライトをアレンジできるかもしれない、と提案される。ん?急に話の風向きが変わった。Spice Jetはいまだに経営が厳しい状況なのだ。一連の大量フライトキャンセルで顧客の流出も止まらないだろう。少しでも現金を外に出したくないのだろうか、と思いつつ詳しく聞いてみると、コルカターハイデラバードの便はないが、コルカターチェンナイーハイデラバードというルートで今日中にハイデラバードに到着できる、ただし空席があれば、という条件だ。追加料金は必要ないと言われる。悪い条件ではない。これから駅に行って列車をつかまえるなんて、それこそ気の遠くなるような作業だ。しかもなるべく早くバンガロールまで行く理由があった。その提案を受けることにし、ベンチで待つことにする。


1時間ほど待っていると、ようやく先ほどの男性スタッフが声をかけてきた。コルカタ-チェンナイ、チェンナイーハイデラバードの2便に空席が出たので、自分のために確保してくれた、という。しかも同じ機体でハイデラバードまで行くので、チェンナイで降りなくてもよく、そのまま席で待機していればいい、とのこと。


助かった。。


ハイデラバード空港に到着したのは夜9:00をまわってからだった。最近出来たばかりらしい、とても近代的な施設だった。今、インドの空港は次々と空港ターミナルが新設されている。ハイデラバードの空港も従来の市内の空港から、新たに市郊外に新設された。そのため空港バスに乗り込んで市中心のバススタンドまで、1時間半ほどかかってしまった。バスを降り、リクシャでセクンデラバード駅前に到着すると11:00った。そこからホテルを探市歩いた


昨年もここには来ている。駅前にはロッジが沢山あった。立て続けに5~6軒に宿泊を断られた後に、やっと泊めてくれるところを見つけられた。


ホテルのスタッフによると、ハイデラバードでは豚インフルエンザへの警戒感が増しているという。マスクをしている人を時々見かけた。インド人のマスク姿は珍しい。でも、マスクは感染している人の飛沫防止には役立つが、感染していない人の感染防止にはあまり関係ないと思うのだが。新聞では小学校でも子ども達に配布されている写真が掲載されていて街中では物売りが1枚5Rs で売られていた。