支援している学校などの訪問


 

→ 生理と女子の教育

→  2013バンガロールへの旅

→ バンガロールのNGO      を参照

 

バンガロールに拠点を置くNGO、MITUへの訪問は3回目となった。MITUの活動は少し変化していた。バンガロール市内の学校に出向き、女子生徒を集めて、初経授業を行う傍ら、性犯罪からいかに身を守るか、男性からの身体への接触にどう対処すべきか、といったインドの社会状況を反映する内容に積極的に切り込んでいく。時には農村の家庭における近親相姦の話さえ織り込んだ講義を行っていた。

 

こうした話題はインドではタブー視する傾向が強い。しかもそれをちょうど思春期を迎える女子生徒たちに対して話すのだ。学校の教師たちの中にさえ、こうした取り組みに慎重な意見があるのだという。男子禁制で、Kalaを含む数人の女性たちが、女性の先輩として講師役を務める。プロジェクターを使ってアニメーションで説明したり、エプロンなどの小道具を使って、思春期を迎える児童の身体の構造と変化について説明する。

 


「タブーを打ち破る」ということが、MITUの活動では大きなテーマだ。従来、インドの社会ではこうした成人女性の身体について、正しい知識もなく、それを教える機会も、システムもなかった。母から思春期を迎える子どもにさえ、そうしたことを伝える習慣さえなかった。ヒンドゥの神話と迷信の中で、それは忌避されるべきもの、真正面から論じるべきものではないものとして、沈黙の中に押し込められていた。

 

女子が自分たちの身体について、自分たちで話し合い、正しい知識と理解を共有するという、当たり前に思えるようなことが、このインドではいかに革命的なことだろう。

 

神話や迷信の軛(くびき)から自分たちの身体を取り戻すプロセス、と考えればMITUの活動を理解しやすい。


生理用品などを配布することもあるが、一握りの経済的弱者層を除き、定期的に恒常的に配布しているわけではない。あくまで自分の身体について正しい知識を身につけさせ、理性的に対処させる大人に成長してもらうことに主眼を置いて活動している。