2012/2/4 ●豚肉を売る店


昨夜は一晩中、高熱にうなされた。朝起きてもまだ頭が重い。しかし夜中に一度目が覚めてどうにか飲んだバファリンのせいで熱は下がったようだ。まだふらふらする。今日は大事をとってゆっくりしようと決める。

朝、市場のそばを歩いていると、たまたま通りかかったビルの中に豚肉の売り場があるのを見つけた。今まで何度となく前を通っていたビルだ。欧米人の家族連れらしい一団がビルの中に消えていくのを見て、なんとなくピンと来るものがあり、後をついていったのだ。

豚肉を売る店が入っているビル 豚の絵の看板が入り口にある
豚肉を売る店が入っているビル 豚の絵の看板が入り口にある

このビルは、ニューマーケットの中のS.S.HOGGマーケットと呼ばれる生鮮市場と通りを挟んだ向かい側にある。少し隔離されている感がないわけでもない。ビルの中に入ると小部屋がいくつかあり、各々の部屋で商売している。この日は3つの店が開いていた。生の豚肉のほか、ハムやソーセージ、サラミなどの加工品もあるようで、価格表が壁に掲げられていた。生肉は140Rs/kg-くらい、加工品はもっと高い。ウロウロしていると中国人に間違えられるのか、やたらと声をかけられる。

一体どんな属性の人たちがこういった店を切り盛りしているのだろう。ビルの中の2つの店はコルカタらしくカーリーの肖像やガネーシャの肖像画が飾られ、1つはそれらとともにイエス・キリストの肖像画も壁に掲げられていた。もう一つ表通りに面した店があるのだが、そこはイエス・キリストの肖像画が掲げられていた。

買いに来ている客層はというと、さきほどの欧米人の家族のほか、華僑らしい年配の女性もいたが、それ以外は普通のインド人が多いことに驚く。中には割りと裕福そうな夫婦が現れて買っていく。クリスチャンなのか、海外生活などで味を覚えたのだろうか。客は他の市場の売り場のようにごった返すほどではない。ポツポツとビルの中に吸い込まれ、売り場で思い思いの量を伝え、肉を量ってもらっている。

表通りで豚肉を売る店 手前の青年は買いに来た客だろうか
表通りで豚肉を売る店 手前の青年は買いに来た客だろうか

実はこのビルはとても大きなビルで、十数階建て、敷地面積も大きいのだが、このビルの裏手は、この辺り一帯のごみの集積場になっていて、そこには十数頭、いや子豚も含めて20頭以上の豚が常にいてごみを漁っているのだ。もしかしてこの豚たちが、、、と思うといい気ではなかった。後日、豚肉屋の親父に尋ねたところ、以前訪ねたことのあるTangraという場所にある屠殺場で処理された豚肉が運ばれてくるということで、少しほっとした。

コルカタのこの辺りだと牛肉は1kgあたり100Rs、鶏肉は1kgあたり125Rs、豚肉は1kgあたり140Rsなので、豚肉は比較的高価だといえる。ただし需要は他の肉に比べて格段に少ないだろう。客は華僑を除くとクリスチャンが多いのだろうか。。。(→豚肉を食べるインド人 も参照)

 

 

 

今回インドに来てから、一度はハムとソーセージを食べて見ようと思っていたので、自分も表通りのお店で購入してみた。ソーセージは1kgあたり250Rs-,ハムは1kgあたり200Rs-の計算で少量でも売ってもらえる。いかにもあら挽きのソーセージを5,6本(270g)、ハムを200g、ちゃんと日本にあるようなデジタルのはかりで量ってもらい、合計108Rs払ってホテルに帰った。

これが購入したハムとソーセージ
これが購入したハムとソーセージ

さて、これをどうやって食べるか。ムスリムの多い街だ。ホテルのスタッフには内緒にして、ガスクッカーがあるかどうかだけ聞いてみたら、ないという。加工の過程で熱処理したり、塩漬けにしているはずだと分かっているが、そのまま食べるのは怖い。おなかに虫が湧いたりすれば、昨晩のようにバファリンと気合いでどうにか、なんていうレベルでは収まらない。

仕方がないのでコイルヒーターでカップにお湯を沸かし、その中にしばらく漬けることにした。ハムは初めから輪切りにしてくれたので、そのまま何切れか入れ、途中で小刻みにコイルヒーターを突っ込んで沸騰させるのを繰り返し、5分ほどたったらスプーンですくい、買ってきた食パンに挟んで食べる。あら挽きソーセージは熱が通りやすいように細かく切って同じように湯せんし、食パンに挟んで食べる。お湯に長く漬けたせいで、味は変わっているかもしれないが、まともな味がする。ハムはつなぎが弱いような感じでボロボロと崩れる。ソーセージのほうは見たとおりあら挽きで、胡椒が異常に効いている。ケチャップをかけて食べたくなる。両方とも生臭さはあまりない。想像していたよりはずっとまともだった。今回は湯に漬けてふやけてしまったが、フライパンでさっと火を通したら香ばしくておいしいだろうな、と思う。

コルカタはそれほど暑くはないのだが、冷蔵保存せずに食べられるのはせいぜい1両日中だろうと考える。明日の朝食べたら、残りはその辺の犬にでもあげよう。