2012/2/21 ●バスで移動する長い1日


朝、バススタンドからNabarangpur行きのバスに乗った。今日から移動開始だ。少し遠いがマハラシュトラ州のNagpurを目指す。Nabarangpurからさらにオディーシャ州を北上する。あえて少し遠周りをするルートを選んだのは、オディーシャの貧しい地域を少しでも見ておきたかったからだ。

高い山はないが、それでもバスはいくつかの山を越えて走る。バスの窓から植生を眺めていると、また少し変わってきたように思える。これまで見たことのない、落葉した木に黄色の特徴的な花が咲いている。あれは何だろう。「インド花綴り」に載ってなかったかな~?などと思いだしながらバスの旅を楽しんだ。

この日はバスで行けるところまで行って宿泊しようと考えていた。バスの終着点であるKesingaという町まで切符を買ったが、昼を過ぎて地図を見ていると、どうやらBhawanipatnaという町辺りで夕方になりそうだ。夕方になってBhawanipatnaの街に入ると、少しひるんだ。ちょっとした町の風情だったが、バスの中からはホテルらしきものを見掛けなかったからだ。「もし宿がなかったらどうしよう」と少し不安になった。実際降りて探してみないと分からないものなのだが、一瞬ためらった分、バススタンドに到着したのに降りるタイミングを逃してしまった。

判断を誤ったかな、と思いつつ、やがてバスはそのまま街を出ていく。もうそろそろ日暮れが近かった。地図を見ると次のちょっとした町はKesingaだが、まだずいぶん距離がある。しかも町の規模は今通ってきたBhawanipatnaより小さいようだった。

案の定、バスに乗っているうちに日が暮れてきた。日が暮れてから知らない町に到着して宿を探すのは何かと厄介だ。失敗したなあ、と思いながら田舎の夜道をバスが走る。それでもKesingaの町に着いたのは夜7:30をまわったころだった。バススタンドに停まるのかなと思っていたら、町中を通り過ぎて、外れの寂しいところに停車し、みんなぞろぞろと降りていく。え、こんなところで?と思いながら皆が歩く方向についていくと、やがて駅に出た。駅前に食堂が数件あるが、まずは宿探しだ。この近辺にはとても宿があるような雰囲気ではない。ホームに入って陸橋を渡り駅の反対側に行くことにする。きっと正式な駅の玄関はそちらだろう。反対側に出たものの、住宅街が広がっている。うーん。。。。

灯りにさえ乏しい住宅街の中に1軒空いてたタバコ屋の男に尋ねると、ホテルなら2軒あるよと住宅街の奥を指す。半信半疑で歩いていくと、やがて商店が少し建ち並ぶ通りに出て1軒見つけホッとした。料金を尋ねるとAC付きだが少し高かった。ACなしの部屋はないのか?としつこく尋ねたが、無いという。あっても高い部屋に泊らせようと「AC付きの部屋しか空いていない」ということが多いのだが、ここはあくまで無いと言い切るので仕方なくもう1軒をあたってみることにした。

2軒目のホテルはそこからさらに10分ほど歩き、通りを歩いている人に尋ね、最後はオートバイに乗せてもらってようやくたどり着いた。しかも希望の部屋が見つかり、やれやれと荷物を下ろした。ホテルを出て食べるものを探しに出かけたが、食堂らしきところは1軒も空いていない。何か食べられるものを売っていないかしつこく歩いて探すが見つけられず、小さな店でスナック菓子を買えただけだった。