i-sakshamが活動するビハールという地域


 

コルカタから西にジャルカンド、ビハール、と進むにつれてディープなインドの中に突入していく、という気がする。ディープというのは町中や公共施設などに英語表記が消え、ほぼヒンディー語だけになる。町中で英語でのコミュニケーションはほぼできなくなる。

 

食事もローカルフードの割合が多くなり、外国人が気軽に口にできるような気の効いたものはほぼ皆無になってしまう。

 

子供たちが働く姿をよく見かけるのもビハールの特徴だ。インドでいろんな州を回ったが、ビハールほど子供たちが当たり前のようにそこかしこで働いているのを見かける州はない。

 

インド政府は14才以下の児童の労働を禁じてるが、親の手伝いはその限りではないとしている。町中の市場などで父親と一緒に露店で野菜を売っていたり、サモサやチャイを作って売っていたり、時には一人で店番を任されているような子供は大体父親かおじいちゃんを手伝っているのだろう。じゃあ何人もの大人が働いている食堂やホテルなどはどうか?工場のように閉鎖された空間で多くの子供たちに働かせ、摘発されることはよくある。しかし食堂やホテルのような不特定多数の目に触れるところであまり無茶なことはできないと思う。経営者と縁戚関係にあり(真偽はともかく)、その手伝いという体で使われているのかもしれない。彼らのほとんどは学校に登録し、日中は(建前上は)学校に通っているようだ。それ以外の時間を労働に費やしていて、給料を受け取っている子も多い。経営者からすれば雑用を何でも頼める安価な労働力だ。ジャムイではじめに泊まったホテルでも、ペットボトルの水を頼んだところ、10才くらいの男の子が持ってきたので思わず年を聞いたら12歳とのこと。きっと親の了承のもと、食事と寝床が用意され、近くの学校にも通える代わりに、タダ同然で働いているのだろう。そうした厳密に言えば違法じゃないかと思える児童労働が目立つのも、ビハールの特徴だ。

 

ジャムイの駅で物売りをする男の子
ジャムイの駅で物売りをする男の子

 

i-sakshamの若いスタッフは20代ばかりで、大学生もいれば公立学校の教師もいる。ただしほとんど英語を話さなかった。学校で英語を学んだはずの大学生ですら。ジャムイチームのリーダーを務めるShravanだけはデリーの大学出らしく、流暢に英語を話した。

 

これはビハールの貧弱な教育制度を反映しているのだろう。そもそもビハールではイングリッシュミディアム(英語で授業を行う学校、特に私立学校)の学校自体が少なく、英語の授業は一応あるものの、ひどいものらしい。そもそも英語教師の能力、英語力がないと皆口を揃えて言う。