i-sakshamの活動を見学1


初めてi-sakshamのオフィスを訪ねた日、コンピューターのセッションを初めて行う村にこれから出掛けるというので同行させてもらった。アスファルトの道からそれて、舗装もされていない農道のようなデコボコ道を進むと、やがて低い土壁の家が立ち並ぶ村に入っていく。車を止めて途中から歩き出した。スタッフとともに小さなモスクの横を通り抜け、ここがムスリムの村であることを知った。見るからに質素な、何の飾り気もない貧しい家々の間を通り抜けるようにして進むと、インドの農村でアンガンワディと呼ばれる、村の集会所の建物に着いた。

村の様子
村の様子
ここはムスリムの村で、レンガと牛糞でできた粗末な民家とは対照的に、モスクだけはとても立派だった。
ここはムスリムの村で、レンガと牛糞でできた粗末な民家とは対照的に、モスクだけはとても立派だった。

 

次々と村で予め募集していた生徒たちが集まってくる。今日の生徒はみんな若い女の子たちだ。ムスリムの村なので男女一緒に学ぶことはなく、分けているのだろう。

 

見慣れぬ外人の自分の存在に落ち着かない様子なので、たどたどしいヒンディー語で挨拶と自己紹介だけさせてもらい、ごめんね、ヒンディー語あまり分からないんだ、と言い訳し、授業に入ってもらう。

 

コンピューターのレッスンの初回で7インチのwindowsタブレットとそれに繋げるキーボードを複数セット持参してきた。しかし、それは生徒の前に出されることなく、そもそもコンピューターとは?CPUとは?キーボードとは?というような冗長な話が延々と続く。生徒にしてみれば、さぞかし退屈か機械が目の前に現れるのを待ちきれないだろうなと思ったが、初回のレッスンということもあるのか、意外にみんな集中して、というか逆に目をキラキラと輝かせて聞いていた。

 

セッションの途中で一人の講師を残し、別の場所に向かった。ジャムイの町に戻り、ある民家の中へと案内された。細長く奥へと続く暗い一室の中で、小学校低学年の子供たちが一列に座って勉強していた。その子供たちに向かい合うように大学生くらいの女の子が一人座っていた。こうやって子供たちの勉強を見ているのだという。

 

ただし生徒たちは思い思いに自習し、先生役の女の子はそれを静かに見守っている風だった。