2/4●Sweet Town

マーケット内で1泊し、以前泊まったことのあるホテルに移動した。以前訪れたときより、町の広さは格段に大きくなっていた。考えてみれば、14年前に比べてインド全体で数億人の人口が増えているだろうから、どの町も肥大化しているのは当たり前だ。しかしウッタルカーシーは相変わらず、ヒマラヤの山間の町らしい雰囲気が以前と同じように残った愛らしい町だった。

 

驚いたのは電力の豊富さだった。夜、どの商店も昼白色の蛍光灯を煌々と輝かせている。小さな露店では、日本で食品売り場やレストランなどで使う黄色の食品がおいしそうに見える電球が輝いている。きっとデリーの表通りの商店街よりも明るいだろう。また、ウッタルカーシーを取り囲むような山並のかなり上のほうまで人家が散在するが、すべて電化されているのだ。夜に見ると星のように電気が点々と輝いてとてもきれいだなあ、と思うと同時にあんなところまでしっかり電線が張り巡らされていることに驚いてしまう。バスでここまで来る間に、高圧線の鉄塔が延々と続いていた。こんな山間の僻地でこれだけインフラがしっかりしているのは、インドでは奇跡のように思える。この町の先はガンガーの源流、そのさらに先は中国だ。

 

土砂崩れの復旧工事についても思ったことだが、重機が豊富に投入され、交通に遅滞や支障のないように工事がされている。よほどこのウッタラカンドは、センターから予算をしっかり持ってこれるなど、政治的にしっかりしているのかもせいれない。識字率などは比較的高い州のようだが、前に訪れたときから、人々と話をしてもとても落ち着いていて、スマートで、全体的に教育水準の高さを感じていた。就学率も高いのだろう。朝からぶらぶらしているような子供はほとんど見かけなかった。町から離れた地区へもスクールバスが何台も巡回して小さな子供たちを学校へ送っているのを見た。

 

市場で一泊したホテルでも以前は子供が部屋の掃除をしに来ていたのだが、今回はホテルのスタッフが自分たちで掃除をしていた。初等教育が義務化されたのが2003年だったと思うが、その後児童労働もずいぶん減少しているのだろうか?

ウッタルカーシーで見つけた花
ウッタルカーシーで見つけた花