→2015 1/30 またもや深夜のコルカタ空港に到着 も参照
コルカタの空港に降り立ったのは2年ぶりだった。コンクリートの壁にてかてかのペンキを塗った、いかにも古ぼけた旧施設から、金属のハリが走る高い天井を葺いたモダンな新ターミナルに変わっていた。入国手続きも税関もあっけないほどスムーズに通り抜けられた。唯一、荷物のピックアップにだけ時間がかかる。ベルトコンベアが機械のトラブルで停まり、ブザーだけが15分ほど鳴り続けていた。
ターミナルが新しくなってもインドらしいな、と思いつつも焦る気にならない。クアラルンプールからの飛行機は、深夜の日付が変わったころに到着したからだ。空港で夜を明かし、明るくなってから街へ出ようと決めていた。
荷物をピックアップするのに30分ほどかかり、1階出口付近の広いロビーのベンチに陣取る。警備スタッフが何人かいるが、特に何か言われるわけでもない。この辺は寛容なようだ。ベンチはアルミのひじかけが付いているせいで、横になることはできない。仕方ないので座ってタブレットを取り出してみた。
ブラウザを立ち上げると、wi-fiのログイン画面が現れる。空港内のどこにも表示を見掛けなかったが、コルカタの空港ではTATA-docomoが無料でwi-fiサービスを実施している。バンガロールの空港と同様だ。しかしインドのwi-fiサービスは、多くのホテルやカフェ、ファストフードでも同様だが、wi-fi機器だけでは接続できない。テロ対策のために必ずSMSのやりとりが可能な携帯電話を求められるのだ。スマホ、タブレット、PCなどのブラウザを立ち上げて、適当に更新ボタンをクリックするとログインボタンが表示され、自分の携帯電話の番号の入力・送信を求められる。つまりインド国内で使用可能な携帯電話を持っていないと、wi-fiサービスは利用できない。すぐに携帯電話にSMSでパスワードが送られてくるので、それをログイン画面に入力すると、時間制限付きでネット接続が認められる。大抵30分だが、接続が切れても再度パスワードを送ってもらうと、引き続き利用が可能だ。
まだ着いたばかりでインドのSIMカードを購入していないので、ネット接続は諦めた。まわりには同じように夜を明かす人たちがベンチに座っている。アルミの固い椅子は決して長時間座るのに向いていない。もちろん長時間寝るのは難しそうだ。しかもさすがに簡単には寝付けない。お店らしきものも開いていないので、本を読んだり音楽を聴いたりロビー内を歩き回ったりして時間を潰した。2階にドメスティックの出発エリアがあるが、チケットがないと入れてもらえなかった。朝方、1時間ほど寝たら、空が白みかけていた。トイレで顔を洗い、歯も磨いて、外に出ることにした。
コルカタは初めてではないし、地図も見ていた。空港前のJessore Roadを南に向かえばメトロのダムダム駅に自然と向かう。ただ徒歩は遠いので道なりに走っているバスを途中で適当に拾った。聞くとダムダムより向こうのBelgachia駅の前を通るので、そこで降ろしてくれるという。インドの人は親切だ。そこでメトロに乗り、M.G road駅で降りた。そこから歩いてSealdah駅を目指した。宿泊するのにサダルストリート周辺は何度も泊っていて飽きていたので、もっと違うエリアを探したかったのだ。駅周辺にはたくさんのホテルやロッジがあったが、どこも断られた。インドにはForeigner's Actという法律がある。外国人を宿泊させるには、予め政府に登録しないといけないのだ。サダル周辺と違ってこの辺りには外国人が宿泊するのは少ないらしい。見事に10件以上に断られて、やけになったころにかろうじて1軒だけ見つかった。Culcutta Lodgeにチェックインしたのは、もう日が高く上って11:00前だった。